はっしーの日記

眼科のこと、生活の事、色々綴ります

眼科診療報酬シリーズ④医学管理料

 

*この記事には広告が含まれます。こんにちは!

第4回となりました眼科診療報酬シリーズ、今回は医学管理料についてです。

といいましても、眼科で算定できる医学管理料はそこまで多くないと考えております。

医学管理料の算定の考え方と実際に算定できるものをまとめていきます。

 

特掲診療料 医学管理料

 

医学管理料は、医師が患者さんに対して医学的に必要な管理・指導を行った場合に算定が可能となります。

 

医学管理料のは数多くあり、

 

特定の疾患に対して算定できるものや

 

中には施設基準を満たす必要があるもの、算定に届け出が必要なものなど多岐に渡ります。

 

例を挙げますと、「B000 特定疾患療養管理料」「B001-4 小児科療養指導料」「B001-16 喘息治療管理料」といったものがあります。

 

それでは、眼科関連のもの、分かりにくいところをまとめていきます。

 

B000 特定疾患療養管理料(眼科単科での算定は難しい)

 

はじめに、B000 特定疾患療養管理料眼科単科では算定は難しい場合が多いです。しかし、例外的に算定可能になる場合もあるため紹介します。

 

1 診療所の場合 225点

2 病床数が100未満の病院の場合 147点

3 病床数が100床以上200床未満の病院の場合 87点

 

特定疾患療養管理料は、生活習慣病等の厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであり、病床数200床以上の病院では算定できません

 

*主病:当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであえい。対診又は依頼により検査のみを行っている保険医療機関にあっては算定できない

 

算定と回数

初診時は、特定疾患療養管理料は初診料に含まれるため算定できません。初診から1カ月経過した時点の再診時から月2回まで算定が可能となります。(例:初診4/15~1カ月は算定不可、5/15以降の再診時から算定可能)

 

適応疾患

結核

・悪性新生物

甲状腺障害

・処置後甲状腺機能低下症

・糖尿病

・スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害

・ムコ脂質症

・リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症

・リポジストロフィー

・ローノア・ベンソード腺脂肪腫

・高血圧性疾患

・虚血性心疾患

不整脈

心不全

・脳血管疾患

・一過性脳虚血発作及び関連症候群

・単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎

・その他の慢性閉塞性肺疾患

肺気腫

・喘息

・喘息発作重責状態

・気管支拡張症

胃潰瘍

・十二指腸潰瘍

・胃炎及び十二指腸炎

・肝疾患(経過が慢性なものに限る)

・慢性ウィルス肝炎

・アルコール性慢性膵炎

・その他の慢性膵炎

・思春期早発症

・性染色体異常

以上の32疾患です。眼科疾患はないですが「糖尿病」「甲状腺障害」は少し迷うところではないでしょうか。しかしこれらの疾患は他科で主たる治療が行われているものであり、眼科で主病としては取り扱えないものになります。

 

例外:(レセプトで返戻される場合あり)糖尿病に罹患しているが、内科受診は途絶えている。眼科では糖尿病網膜症の経過と治療が行われ、定期的な血液検査も眼科から行っており、内服処方や療養指導が眼科単科で行われている。

上記の場合、算定が可能となるケースもあるようですが、基本的には内科主病であることを患者さんへ伝えて内科受診を促し、内科と連携していく必要があると考えます。

 

算定上の要点

・管理内容の要点を診療録(カルテ)に記載する。

 

・同一医療機関において、2以上の診療科にわたり受診している場合は、主病の治療にあたっている診療科においてのみ算定できる。

 

・入院患者には算定できない。

 

(B001特定疾患治療管理料)7 難病外来指導管理料

 

難病外来指導管理料の中には眼科における治療が主病と認められるものもあるため算定が可能です。

算定にあたっては治療計画に基づき療養上の指導を行った場合に算定できます。

難病外来指導管理料 270点

 

算定と回数

初診時は、難病外来指導管理料は初診料に含まれるため算定できません。初診から1カ月経過した時点の再診時から月1回に限り算定が可能となります。(例:初診4/15~1カ月は算定不可、5/15以降の再診時から算定可能)

 

適応疾患

厚生労働大臣が定める難病は多く、指定難病は388疾患となります。(2022.4現在)

388疾患の中には、

・IgG4関連疾患

・ウィルソン病

・眼皮膚白皮症

・クッシング病

・クルーゾン病

・サルコイドーシス

・シェーグレン症候群

・スタージ・ウェーバー症候群

・全身性エリテマトーデス

ベーチェット病

・ホモシスチン尿症

・マルファン症候群

・無虹彩

・網膜色素変性症

・レーベル遺伝性視神経症

といった疾患が掲載されています。上記疾患でも眼科が主として治療にあたっているものについて算定が可能となります。上記以外の疾患でも眼科が主病として治療に当たれば算定が可能となります。

 

算定上の注意

・診療計画及び診療内容の要点をを診療録(カルテ)に記載する。

・初診から1カ月経過後算定と同様に当該医療機関に治療で入院した場合、退院後1カ月経過後から算定が可能となる。

 

B009 診療情報提供料(Ⅰ)

 

B010 診療情報提供料(Ⅱ)

 

B011 連携強化診療情報提供料

 

まとめての解説になりますが、病院連携におけるいわゆる「紹介状」にかかる診療報酬の項目で、患者さん1名あたりに各医療機関月1回算定できます。簡単にまとめますと、

 

診療情報提供の経路が

診療所⇒同科及び他科診療所・病院の場合:B009 診療情報提供料(Ⅰ)250点

診療所・病院⇒セカンドオピニオンでの同科医療機関紹介の場合:B010 診療情報提供料(Ⅱ) 500点

病院⇒かかりつけ医・診療所の場合:B011 連携強化診療情報提供料 150点

 

B011 連携強化診療情報提供料は以前は診療情報提供料(Ⅲ)という名称でしたが変更となっています。

 

まとめ

今回は医学管理料についてまとめてみました。多くの項目がある医学管理料ですが、眼科が単科で算定可能なものはそこまで多くはありません。今回挙げたもの以外でも算定可能なものはありますが、考え方で悩みやすいものを挙げさせてもらいました。

 

参考・引用:保険診療便覧-点数表とその解説-(医学通信社協力編集)