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こんにちは!!
今回はおそらく視能訓練士で診療報酬を見たことがある方であれば何度も確認したであろう項目が含まれます。
私の中で眼科診療報酬の中で「最も解せぬ」ランキング1位と2位(むしろ同率1位)が登場します。
1位は「D268 眼筋機能精密検査及び輻輳検査」と
2位は「D272 両眼視機能精密検査、立体視検査、網膜対応検査」です!
…と個人的な想いは一旦仕舞っておいて、解説に入ります。
*「〇」から始まる文章は参考文献からの引用です。
- D268 眼筋機能精密検査及び輻輳検査 48点
- D269 眼球突出度測定 38点
- D269-2 光学的眼軸長測定 150点
- D270-2 ロービジョン検査判断料 250点*施設基準あり
- D271 角膜知覚計検査 38点
- D272 両眼視機能精密検査、立体視検査(三杆法又はステレオテスト法による)、網膜対応検査(残像法又はバゴリニ線条試験による) 48点
- まとめ
D268 眼筋機能精密検査及び輻輳検査 48点
〇眼筋機能精密検査及び輻輳検査とは、
・マドックスによる複像検査
・正切スカラによる眼位の検査
・プリズムを用いた遮閉試験(交代遮閉試験)
・HESS赤緑試験
・輻湊近点検査及び視診での眼球運動検査(遮閉-遮閉除去試験、9方向眼位検査、固視検査、Bielschowsky頭部傾斜試験及びParksの3ステップテスト)
等をいう。
補足・解釈
D268眼筋機能精密検査及び輻輳検査は以前視能訓練士のオープンチャットでも話題に上がったことがあるのですが、この項目は複数のテストを実施しても48点となり「×2」や「×3」とはなりません。(地域・施設によっては「×テスト数」で算定出来るところもあるようです)
ということで、
視能訓練士の腕の見せ所でもある眼位・眼球運動検査ですが、算定はとても厳しいものとなっております。
D269 眼球突出度測定 38点
D269-2 光学的眼軸長測定 150点
〇光学的眼軸長測定は非接触型機器を用いて眼軸長を測定した場合に算定する。接触型Aモード法による場合は、D215超音波検査の「1」のAモード法により算定する。
補足・解釈
現状(2023年)では白内障等で行われる水晶体再建術の術前検査として行われた場合にのみ算定が可能です。近視進行経過観察での算定は査定されます。
D270-2 ロービジョン検査判断料 250点*施設基準あり
〇身体障害者福祉法別表に定める障害程度の視覚障害を有する(ただし身体障害者手帳の所持の有無を問わない)に対して、眼科学的検査(D282-3コンタクトレンズ検査料を除く)を行い、その結果を踏まえ、患者の保有視機能を評価し、それに応じた適切な視覚的補助具(補装具を含む)の選定と、生活訓練・職業訓練を行っている施設等との連携を含め、療養上の指導管理を行った場合に限り算定する。
〇当該判断料は、厚生労働省主催視覚障害者用補装具適合判定医師研修会(眼鏡等適合判定医師研修会)を修了した医師が、眼科学的検査(D282-3を除く)を行い、その結果を判断した際に、月に1回に限り算定する。
補足:身体障害者福祉法別表に定める障害
〇次に掲げる視覚障害で永続するもの
(1)両眼の視力・矯正視力がそれぞれ0.01以下のもの
(2)一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもの
(3)両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
(4)両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
D271 角膜知覚計検査 38点
D272 両眼視機能精密検査、立体視検査(三杆法又はステレオテスト法による)、網膜対応検査(残像法又はバゴリニ線条試験による) 48点
〇両眼視機能精密検査とは、Worth4灯法、赤フィルター法等による両眼単視検査をいう。
補足・解釈
D272はD268眼筋機能精密検査及び輻輳検査と同様に、複数の検査を組み合わせて評価したとしても「×2」や「×3」となるものではなく48点を所定点数として算定します。(地域・施設によっては「×テスト数」で算定出来るところもあるようです)
算定例
・Worth 4 dot test
・Stereo Fly test
・JACO Stereo test
・Bagolini SG test
の4試験を実施したとしても48点です。
まとめ
以上でD268からD272までの紹介を終わります。
冒頭で私の主観が大いに入ってしまいましたが、まずは皆さんに知っていただきたく思います。
D269-2光学的眼軸長測定も近視進行の経過観察には欠かせなくなってきていますので適応範囲が広がることを個人的に願っております。
参考・引用:保険診療便覧-点数表とその解説-(医学通信社協力編集)